かま日記 6/1(木)
6月1日(木)
晴天。本日の利用者は女性が2名。そして、本日は生活介護事業所の最初の日。そして、そして、本日ははつがまという名の開所式の日。私達がみなさんにお礼をする日なのに、お祝いのお花や嬉しい言葉を沢山頂く。感謝の言葉をありがとうしか知らないのがもどかしい気持ちで一杯だ。人はどうして心なんてやっかいなものをもって生まれてきたんだろう、とは友部正人の唄。それに倣えば、私達は言葉なんてものがあるがゆえに、本当の気持ちを伝えられないんじゃないだろうか。だっ、今の感じている気持ちを、言葉だけで表現するのは不可能だ。この気持ちは私の言語能力では表現しきれな
い。今日だけではなく、これまで頂いた応援の言葉にも感謝。感謝。感謝。と、質より量で表現してみたが、なんか、廻り回って失礼な気もするのは気のせいか。
兄のようなNPO法人の運営する日中一時支援事業所からも沢山の方が来やがった、いや訂正、来て下さった。なによりも祝ってくれる気持ちが嬉しい。これまで理事長氏には散々お世話になり、これからもお世話になる予定なので、こうしてささやかながらお礼が出来るのは嬉しい。事業所の近隣の方、いつもお世話になっている方、利用者のご家族、などなど。みんなでスタッフやご家族のお手製の昼食を頂きつつ、話に花が咲く。自治会の方は、熱心に色々な話をして下さったり、扇風機を下さったり。あ、この扇風機、昭和家電の趣がたっぷり。うちのスタッフが小躍りして喜んでいました。ありがとうございます!そして、うちのスタッフと私による演奏。なんかの罰ゲーム?
開所式は賑やかに過ぎていく。これから始まるんだな、と、周囲の喧騒とは別に様々な思いが胸をよぎる。これまでのことを思い出し、これからの夢に向かってひとり思いに耽る。と書くと、なんか良い感じでしょ。でもね、本当の気持ちは少し違う。だって、私の心に去来している思いは、そんなふわふわとした佐渡のトキのような情緒が入り込む隙のないものだから。例えが分かりにくいかね?いや、そんなことはどうでもいい。
正直に云おうか?
生活介護事業所の認可が取れたのは、嬉しい。ただ、この嬉しさはキャッホーてな感じの嬉しさではなく、まあ、いい歳をしてキャッホーもどうかとは思うが、そんなことではなく、ようやく、最低限のスタートラインに立てたという嬉しさであり、それは同時に走り出したら立ち止まれないという責任や重さと紙一重の感情なのだ。勿論、希望も喜びも楽しみもある。しかし、同時に不安や緊張や恐怖にも似た感情もあるのだ。責任という、これまでの人生で何となく背負わずに済んでいたものが両肩に圧し掛かってきていることに気づいてしまうのも、また事実だ。それが嫌なのではない。だけど、軽いものでもない。その重さに気付けば気付くほど、喜んでばかりもいられない。そんな複雑な気持ちなのだ。
送りの送迎の後は、心地よい疲労感。なんせ、スタッフみんな、前夜の仕込み、早朝から昼食の準備などを頑張ったからね。スタッフのみんな、お疲れ様!そして、朝からずっとお手伝いして下さったご家族の方、本当にありがとうございました!ここから一緒に始めましょう。嫌だと云っても、徹底的に付き合いますので覚悟しておいて下さい。
そして、帰宅の途につく。このまま情緒に流されたら、どんなに楽なんやろう。あ、トキが飛んでいる。いやいや、きっと幻覚。